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パーヴェル・ネルセシアン2017曲目解説 中島克磨(作曲家)

ネルセシアン プログラム解説 中島克磨(作曲家)

*ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770年 ボン~1827年 ウイーン) 
  ピアノソナタ 第23番「熱情」へ短調 OP57

「月光」「悲愴」とともに3大ピアノソナタと呼ばれることもあるこの作品は、1805年に書かれたもので、中期の傑作といえる。ベートーヴェンは難聴が酷くなっていたのだが、オペラ「フィデリオ」も並行して作曲されているだけでなく、前後には、交響曲第3番「英雄」、ヴァイオリンの「クロイツェルソナタ」、ピアノの「ワルトシュタインソナタ」等があり、創作の上では、充実していた。絶望感が、かえって創造のエネルギーをかき立てていたのかもしれない。この23番は、極めて情熱的な作品で、全体は3つの楽章からなっている。1楽章:アレグロ・アッサイ 、2楽章:アンダンテ・コン・モート、3楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ、 プレスト。

*セルゲイ・セルゲイェヴィチ・プロコフィエフ(1891年 ソンツォフカ~1953年 モスクワ) 
 バレエ「ロメオとジュリエット」から10の小品 OP75

プロコフィエフは、ソビエト時代に、ペテルブルグ音楽院でリャードフやリムスキー=コルサコフに師事。1917年、ロシア革命にあい、日本を経由してアメリカに亡命したのだが、33年にソビエトに戻った。バレエの「ロメオとジュリエット」は、その名の通りシェークスピアの戯曲に基づく作品。バレエの初演は、38年。ピアノ版はこれに先立って、37年に編まれ、モスクワで作曲者自身の演奏で初演された。1、フォークダンス、2、情景、3、メヌエット、4、少女ジュリエット、5、仮面、6、モンターギュー家とキャピュレット家、7、僧ローレンス、8、マーキュシオ、9、百合の花を手にした娘たちの踊り、10、ロメオとジュリエットの別れ

*ニコライ・ギルシェヴィチ・カプースチン(1937年 ホルリフカ ~)
 古典様式による組曲 OP28

ウクライナ出身のこの作曲家は、現在80歳でご存命である。14歳の時にモスクワに移り住み、モスクワ音楽院で、ゴリデンヴェイゼルにピアノを習い、在学中にジャズに興味を持ったことで、自分流の作曲を試みていく。音楽院卒業後は、ジャズオーケストラと共にソビエト中で演奏。作風はジャズとクラシックを融合したようなものだ。ジャズは即興が命なのだが、彼の場合は、それを全て譜面に書き留めている。ペトロフ、オズボーンといった名手たちが、彼の作品を弾くようになったため、徐々に名前が知られるようになっていった。

*カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714年 ヴァイマール~1788年 ハンブルク) 
 ロンド ト長調 H 271 、 ソナタ ヘ短調 H75 

バッハ家といえば、まずは ”大バッハ” といわれるヨハン・セバスティアンである。そしてその長男のヴィルヘルム・フリーデマン、末っ子のヨハン・クリスティアン。で、このたび採り上げられるのは、ヨハン・セバスティアンの最初の妻マリア・バルバラとの間にできた子供(次男)の作品。他のバッハ一族と区別するために、”ベルリンのバッハ ”とか ”ハンブルクのバッハ ”と呼ばれる。彼はクラヴィーア演奏の大家であり、200曲近い鍵盤作品を書いた。作品番号は、アメリカの音楽学者、ヘルムによって楽譜整理がなされたので、ヘルム番号  ”H"  となっている。

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