チベットの風・映画上映と現状報告 |
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Sunday, 16 April 2023 2:00 - 5:00
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かって孫文は漢・満・蒙・回・蔵の「五族協和」を「中華回復」のスローガンに掲げた。そして中国共産党政権は支配地域の民族を一つの「中華民族」とし、「漢族と55の少数民族の総称」と規定している。しかしどちらも多分にして漢族中心の少数民族の漢化政策の本音が見え隠れしている。また専制主義は上意下達の命令機構によって成り立つものである。中国のような一党独裁体制の国では、他民族の自主性尊重や自治権の擁護・拡大とは別のベクトルが常に働いている。
共産主義イデオロギーは全体主義と結びつきやすく、中国特有のいわゆる中華思想(華夷思想)と相まって、中国は今や新たな帝国主義の段階に至っていると言っても過言でない。内においては作られた呼称である中華民族の一体性からして、民族自決は当然ながら許されない事となる。しかし「少数民族」とされた人々のうち、自分たちで独立国家を作る事が可能だと考えているチベット・モンゴル・ウイグルの人々は強い不満を抱き、中国共産党・政府との衝突が繰り返されてきた。特にチベット人は土地や文化への帰属意識が強く、共有してきた集団記憶である建国神話と共に、強固な宗教心と結びついている。
中国当局はチベットに多くの漢族を移住させ、資源の乱開発による環境破壊や経済格差、言論や宗教の監視や統制、学校教育におけるチベット語の排除などを進めている。要するにチベット人の文化や伝統、民族のアイデンティティが今や危機にさらされている、この事こそが最大の問題なのである。
1959年、宗教指導者ダライ・ラマ14世が多くの難民と共にインドに逃れ、亡命政府を樹立してから既に半世紀が過ぎている。国際的支援を求めるダライ・ラマと支援者たちにどう答えていくべきか、我々一人一人に課せられた課題でもある。今回は時宜を得て、チベット問題に付いて現地撮影した自主製作映画を上映し、かつ在日チベット人の方々を招いて、彼らの思いを聞き、国際理解と交流の一助としたい。 |
Location : 豊島区イケビズ第1会議室 Contact : アストライアの会 049-258-3218
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